山形バリアフリー観光ツアーセンター

この想いが沢山の人に届きますように

もし、僕が障害をもっていなかったら…

もっと、普通の生活を送れていたのかもしれない。

もし、僕が障害をもっていなかったら…

もっと、楽に暮らしていけたかもしれない。

何度も夢を見ました。何度も、何度も、願ってきました。

「いつか、また自分の足で歩きたい…」

そして目が覚めると、いつもの通りの朝なのです。

毎朝の日課。痛みがある、辛いリハビリがはじまります。

僕は筋ジストロフィーの為に車椅子生活。

 

娘は、「パパは病気だから、歩けないんだよ」って言います。

娘にはずっと沢山のことを我慢させてきたのかもしれない。

だから僕に「あまり、お願いをしたことがありません」

そんな娘に、僕は何をしてあげれるだろうか?

今までずっと、そればかりを考えてきました。

僕の娘は、いつもお手伝いをしてくれます。

洋服を着るのを手伝ってくれます。

靴下を履かせるのを手伝ってくれます。

みなさんは、こうしたところを見かけたら

「小さいのにお手伝いして偉いね」って

きっと、娘を褒めてくれるでしょう。

でも、娘にとっては何ら特別な事でないのです。

娘はきっと「え?当たり前でしょ」って言うでしょう。

娘が生まれた時から、僕には障害があり

娘は、こうした環境で育ってきました。

だから、人の痛みが人一倍分かる、とても優しい娘です。

僕には、普通のお父さんがやるように、

娘を肩車してお祭りを見せてあげることができないかもしれない。

僕には、普通のお父さんがやるように、

娘と駆けっこすることができないかもしれない。

でもね、僕には「僕にしか伝えることができないことがあるよ」って

娘に沢山気付かせてもらいました。

だから、これからも多くの場所で伝え続けていきます。

僕は、障害の為に失ったこともあります。

でも、それ以上に得たことが沢山あります。

『失ったものを数えるな』

僕は、今日まで障害があったからこそ出会えた人がいました。

得られたチャンスがありました。

障害ってなんでしょうか?マイナスでしょうか?不幸でしょうか?

誰もが、健常で生きることはできない。

誰かが、障害を持って生きていかなければならない。

そして、誰もが歳をとったら、身体が不自由になるように、

僕たちも、いつ病気や事故や怪我で、身体が不自由になるかもしれません。

 

もしかしたら、大切な人が病気になるかもしれません。

だから、少しでもいい。

一緒に考えてほしいんです。知ってほしいんです。

みんなと一緒に美味しいものを食べ、一緒に温泉に入り。

一緒に笑って、一緒に感動して、一緒に泣いて

本当に、些細なことかもしれません。

 

でも、これが当たり前に出来ず、我慢したり諦めてしまっている方が、

全国には沢山いるんです。

だから僕は、当たり前が、当たり前にできる社会に変えたい。

 

障害の有無に関わらず誰もが共生できる社会。

誰もがお互いに人格と個性を尊重し支え合い、多様な在り方を互いに認め合える全員参加型の社会。

僕たちが目指す社会は、こうした社会です。

 

10年後の山形では、こうした光景があちこちで、

当たり前にみられる、社会に変えていきたい。

例えば、先天性の障害があることで、本当はみんなと一緒に遊びたくても、

遊ぶことを諦めている子どもたちがいるんです。

 

お祭りでよく見かける、ふわふわエアー遊具。

みんな小さい頃お父さんやお母さん、おじいちゃん

おばあちゃんにおねだりして乗せてもらったよね?

でも、障害があるから、きっと無理…と諦めてしまう親御さんがいるんです。

 

僕は、この子どもたちに、いろんな経験をさせてあげたい。

偉かったね、頑張ったね。これからは『我慢しなくてもいいんだよ』って

伝えたい。 親御さんに、今まで支えてくれてありがとう。

もう『諦めないでいいんだよ』って伝えたい。

 

大丈夫。きっと、できる方法がある。だから、簡単に諦めないでほしい。

 

勇気を出して、一緒に一歩前に進もうよ。

 

そしたら、きっと新しい世界が待ってる。

大丈夫。1人じゃ不安なら、僕のところにおいでよ。

いつでも、待ってるから。

 

さぁ、みんなで一緒にワクワクしようじゃないか。

 

僕たちにできることであれば、一人ひとりの積み重ねでできることであれば、

3400万人の高齢者も、788万人の障害者も。

 

全国で繋がっている沢山のお友達も。

そこにあるのは、かけがえのない尊い1人。

そんな、『1』に対してなら、自分にもできることはあるはず。

そんな気づきを、多くの人が持ち、自分にも少なくとも

『1』のチカラが備わっていると認め、小さなチカラが数多く集まった時…

 

これまで、開かなかった重い石の扉が、音を立ててゆっくりと開いていく。

 

『ひとりのハートが世界を変えられる』

 

僕の夢の実現は、1人では不可能だと思います。

だからこそ、僕のこの小さな熱い念いを、

皆さんと一緒に大きなうねりに変えて

この日本を、山形から変えていきたい。

僕は心から願っております。

 

#強くなければ生きていけない #優しくなければ生きる価値がない